前回の記事でまだ積んである本があると書いたが、そのうち2冊を読み終わったのでまた感想メモ。
読んだのは以下の2冊:
- 井奥陽子 『近代美学入門』 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480075840/
- カロル・タロン=ユゴン 『美学への手引き』 https://www.hakusuisha.co.jp/book/b210728.html
『近代美学入門』は前回のメモで挙げた2冊と異なり、主に西洋 (西欧) において近代美学が成り立った18世紀頃までの歴史的な流れを紹介している本。これと『美学への招待』を読めば古代から現代までの全体像を大雑把に眺められそうな感じ。著者によるとこの本の目的には近代美学の入門以外に「西洋近代美学およびそれにもとづく価値観を地域・時代的に特有なものとして相対化して捉えられるようになること」があり、そのためか内容としては美学そのものというよりは美学で扱われる「芸術」や「美」 (と美に関わるものとして「崇高」と「ピクチャレスク」) といった概念がどのようにして成り立ったのかを当時の西欧の状況を踏まえて説明するものが主となっている。
『美学への手引き』は『美学への招待』と『近代美学入門』の文献リストに載ってたので後から買い足したもの。内容はこれも美学史的な趣だが、『近代美学入門』と異なり20世紀以降の動向についても扱われているのと、哲学方面の議論に焦点を当てたものとなっており、議論の方向性もこれまで読んだ本たちと比べると読み物というよりは教科書的な雰囲気を帯びている。主な関心ごとに違いがあるとはいえこれ一冊で『近代美学入門』と『美学への招待』で触れた範囲に一通り目を通せるということもできるが、読みやすさという点でこちらの方は一段劣るので、前述の2冊の方が人に薦めやすいだろうという所感。
前回挙げた積み本の残りは西村清和 『現代アートの哲学』なのだが、この間さらにもう一冊買って積んでいる。買ったのは以下:
- ドミニク・マカイヴァー・ロペス、ベンス・ナナイ、ニック・リグル『なぜ美を気にかけるのか 感性的生活からの哲学入門』 https://www.keisoshobo.co.jp/book/b629409.html
自分でもなんでこんなにハマっているのか不思議ではあるが、「なんとなく触れてみたら存外面白かったから」くらいしか自分の中から出てこないのでそういうものとして適当に楽しむことにしている。
『現代アートの哲学』は上の2冊を読み終わってから手をつけ始めたけど色々あって中断中。というかここのところ全然読書ができていない (固めの内容の本を読む元気がない) し、もっと言うとこのブログも2冊を読み終えた6月末にゆるく書き始めたのに7月に入って破茶滅茶が発生してから諸々の余裕がなくなり今やっと書き上げたみたいな状況だったりする。ちなみに破茶滅茶はまだ継続している。